浮気相手に手切れ金を渡して別れる

「慰謝料」とは、精神的苦痛を受けた賠償として支払われるものです。不法行為の条件を満たしていれば、法律にのっとって発生するものです。では「手切れ金」とは何でしょうか。男女関係を精算する時などに出てくる「手切れ金」ですが、これは任意に支払われるものです。慰謝料は相手が請求に応じない場合は強制的に支払わせることができますが、手切れ金はあくまで任意ですので、強制的に支払いを要求したりすると恐喝などの罪に問われる場合があります。

慰謝料は、婚姻や婚約、内縁関係が法的に成立している場合に、精神的苦痛を受けたことで請求することができます。そのため、通常の恋人関係において慰謝料が発生することはほとんどありません。浮気相手との関係を解消するためにお金を払う必要は本来ありませんが、不倫関係にあったことを口外させないため、後々揉めないために手切れ金を支払う人はいるようです。一方は不倫関係を継続したいが、もう一方は不倫関係を解消したいという場合などは手切れ金を用意して穏便に別れたいと思うのでしょう。不倫関係の解消には、振られた腹いせに職場や家庭に不倫を暴露されたりという危険性があるからです。

手切れ金の相場は、100万円程度が一般的のようですが、更に高額になる場合もあります。浮気の期間が長かったり、有名人や社会的地位の高い人などは手切れ金を多く支払う傾向があるようです。基本的に手切れ金は一括で渡されることが一般的です。

手切れ金を渡して浮気相手と別れる時の注意点としては、お金で不倫関係を精算することについてお互い納得していることを書面に残すことです。できれば弁護士立会いのもと合意書を作成した方が良いでしょう。後々、トラブルになることはじゅうぶん考えられますので、証拠をしっかり残すことは大切です。

軽い気持ちで始めた浮気が、相手がどんどん本気になった結果、別れにくくなるというのはよくあることです。浮気相手が本気になり、ストーカー化するという話もありますから、手切れ金で身を引いてくれるなら良い方かもしれません。手切れ金を用意する金銭的余裕がないからとズルズルと浮気を続けているうちに、妻や夫に疑われる可能性は十分あります。きっちり終わらせられないでいる間に探偵による浮気調査が行われていたという人も多いでしょう。探偵が掴んだ沢山の証拠を目の前にして、妻や夫から慰謝料や養育費諸々を請求されることを考えると、手切れ金を用意してさっさと終わらせた方が良かったということになるかもしれません。

妻や夫にばれる前に綺麗に浮気相手と別れるというのが理想でしょうが、そう上手くいくとは限りません。浮気相手のタイプによっては別れることに大変苦労する場合もありますから、相手を良く見極めて早く終わらせた方が良いと判断したら、手切れ金を用意するのも一つの手段となるでしょう。