夫が浮気をしているとわかってから離婚を決意した場合、どのような準備が必要で、どのような手順ですすめていけばいいのでしょうか。
まずは浮気の証拠の確保です。浮気の証拠は一回分だけでは証拠として弱いとみなされ、基本的には二回以上確保した方が良いと言われています。言い逃れができないような確実な証拠が必要ですので、自力で証拠集めをするよりはプロの探偵に調査を依頼した方がいいでしょう。メールやSNSでのやり取りだけでは確実な証拠となりません。不貞行為の証拠を押さえることが必要です。そのためは、証拠となりうるものがどんなものなのかということもきちんと把握している探偵事務所に調査を依頼するほうが確実といえるでしょう。
目の前の現実である配偶者の浮気や離婚のことにのみ意識を奪われがちですが、離婚後に住む場所もきちんと確保しておきましょう。専業主婦の方は仕事を確保することも大切です。離婚した後は実家にお世話になる等、それぞれ事情はあるでしょうが、離婚後の生活に向けての準備はしっかりとしておきましょう。
次に離婚に向けての話し合いです。慰謝料や財産分与、子どもがいるなら親権についての話し合いを行います。子どもが小さい場合の親権はほとんど母親が持つことになります。母親が浮気をしていた場合で、育児が疎かになっていた、浮気相手に虐待されていた等の問題があれば父親に親権がいくこともあります。こういった話し合いに決着がつかない時は家庭裁判所に調停を申し立てます。離婚調停では、裁判所の調停委員に間に入ってもらい話し合いをすすめます。調停で決まった内容は判決と同じ効力があります。決まった分の金額を支払ってもらえない場合は、相手の財産や給料を差し押さえて取り立てることが可能になります。更に、調停で話し合いの決着がつかない時は裁判となります。
慰謝料や親権についての話し合いが終わったら離婚届を出します。離婚届は夫婦の本籍地ではない自治体に提出するさい、戸籍謄本が必要になりますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
女性が再婚する場合、離婚した後すぐ再婚することはできませんでした。妊娠した子の父親がどちらかわからないという状況を避けるため、再婚するには100日以上開ける必要があります。ただし、離婚時に妊娠していない場合は100日を待たなくても再婚できるように法律が改正されました。また、離婚した後でも浮気の証拠があれば慰謝料は請求できます。その場合でも、浮気を知ってから3年という時効があります。時効の期間をしっかりと把握して、期限が切れる前に請求しましょう。
離婚は結婚の10倍大変と言われています。親権や財産についての手続き等が大変だということもありますが、やはり精神的に傷つくことが大きな要因といえます。離婚を決意することは簡単なことではありません。浮気が発覚しても経済的な理由や子どものことで離婚を選択しない人もたくさんいます。配偶者の浮気が判明しても怒りにまかせて勢いで離婚することなく、離婚後の生活についてよく考察してあらかじめ準備をしてから行動に移した方がいいでしょう。
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